サポート日記

家族のサポートで人生このまま終わるのか?疑問に思いつつも日常に追われる人のブログです。

父の死を無駄にしたくない!

 私の父は今年の初めに「胸腹部大動脈瘤置換手術」という、大動脈瘤が破裂するのを防ぐ為の手術を
受け、術後2週間で目を覚ますことなく亡くなりました。まだ60代、定年退職後これから老後を楽しむのには「動脈瘤」という爆弾をかかえていては旅行にも行かれないからと受けた手術でした。
 私が主治医に不信感を抱いたのは、手術前と手術後の医師の言葉が手のひらを返すように変わったからです。

 父は、手術を受けた病院には(仮にXX総合病院とします)そもそもセカンドオピニオンを求めてコンタクトを取りました。もともと、5年前に心筋梗塞を発症したときに大動脈瘤を発見されており3年前には「上行弓部大動脈瘤置換手術」を受けています。そして今回下行大動脈も63mmに拡大していることがわかり手術適応と言われましたが、前回手術をしてくれた医師が退職しており、父がかかっていたA医大B病院ではこの「胸腹部大動脈瘤」の手術はやっておらず、A医大の本院を紹介しますということになりました。
 A医大は腹腔鏡手術の医療過誤で大きく取り上げられていることもあり、不安に思った父はインターネットで検索し大動脈センターを持ち大動脈瘤の手術実績をあげているXX総合病院を受診してみることにしたのです。XX総合病院のホームページでは今回の主治医が大変詳しく大動脈瘤についての記事を書いており、手術実績も昨年父が見た時点では死亡率が1%程度でここ数年推移していて受診前から安心感を持っていたようです。はじめにメールで連絡を入れたところ非常に親身になって考えてくれた返事があり、多忙にかまけてメールのあとなかなか外来の受診予約を入れずにいたら、わざわざ主治医本人から
 「心配しています。」と電話までしてきたのです。

 電話を受けたときの気持ちを、父は自身のホームページに「何かあせらされた気持ちになった」と書いています。(家族には、親切な先生だなあと感激したように言っていましたが。)

 結局母と二人で病院を訪れ、主治医の説明をうけ、昨年のこの手術の実績は5件で皆さんぴんぴんしてますと言う説明に当然死亡例は無いものと思い(思い込みだったのですが)この病院で手術を受けることに決めてしまったのです。このとき主治医は握手を求めてきたそうで、母は「安心して任せてください」という意味だと思ったと言っています。

 こうして主治医に対し大変親切な先生である。さすがに大学病院の教授のように威張り腐っておらず患者のことを親身に考えてくれるすばらしい医師であるという印象をもったわけですが・・・。

 手術後の豹変振りには思い出しても悔しくて涙がでてくるほどです。

 曰く、「この手術は遺書を書いてから受けるような大手術ですよ。心臓血管外科手術が年間3万件ありますが、この手術はそのうちのたった200件ですからねえ。」
 曰く、「今はまだ、お花畑が見えていて、川の向こう側でご両親がここはまだ来るところじゃあないよ。といっているくらいの回復程度ですよ。」
 曰く、「水道の蛇口をひねったようにジャーっと出血しまして。」

 父は、外科医のモルモットではない!!!!!!

 冷静に考えれば、大動脈センターをたちあげたばかりで実績が欲しかったのでしょう。

 父の死後、恐る恐る開いたXX総合病院のホームページ、2004年の手術実績が更新されていました。胸腹部大動脈瘤置換手術は5件中3件が「死亡」。